眼科通信

眼科通信Vol.164【化学眼外傷】

洗剤が眼に入ってしまった!病院へ行く前にすることは?

化学眼外傷とは?

洗剤・パーマ液・有機溶剤などの化学物質が眼に入ってしまった場合に発生します。

化学物質によって受傷後の経過は異なりますが、時に失明に至るケースもあります。

 

症状

流涙・充血・結膜や角膜の炎症が起こります。

角膜の表面が完全に剥がれてしまうことや、角膜全体がスリガラスのように

濁ってしまうことがあります。

特に、化学物質がアルカリ性だった場合、眼球表面の障害に留まらず、

化学物質が角膜を透過して眼の内部にまで障害を及ぼすこともあります。

酸は、アルカリ性と比べ組織透過性が低いために、障害が表面に留まることが

多いと言われています。

軽症の場合は治療により後遺症を残さずに回復することがほとんどです。

しかし、重症の場合、眼球と瞼が癒着する角膜が白く濁るなどの後遺症が残ることがあります。

 

治療

医療機関を受診する前に、その場でできるだけ早く、眼を開けたまま水道水などの

流水で10分以上洗眼する必要があります。

一般に、化学物質が眼に接触している時間が長ければ長い程、障害は重症となります。

洗眼が済んだら、ただちに眼科を受診します。

その後の治療は、化学物質の種類・化学物質が眼に接触していた時間・眼の障害の程度などに

より異なります。軽度であれば通院による治療で後遺症もなく回復することが可能です。

重症であれば入院のうえ手術が必要な場合もあります。

 

眼科を受診する前に

◆流水ですぐに洗いましょう

◆目にはいってしまった物の容器や箱など、

成分の分かるものを眼科へ持っていきましょう

関連記事