眼科通信

眼科通信Vol.171【眼瞼痙攣】

眼瞼けいれんとは、

まばたきが上手にできなくなる病気です。

 

眼瞼周囲の筋肉、おもに眼軸筋の過度の収縮により意図しないで目を閉じてしまう疾患です。

病態は明らかになっていませんが、まばたきの制御を行っている大脳基底核や、

中脳、脳幹の異常が推測されています。原因不明のものが多いですが、

不安薬や睡眠導入薬などの向精神薬内服により発症することがあります。

 

眼瞼痙攣では多彩な症状を訴えます

・まぶしい

・目をあけているのがつらい

・目が乾く

・目がうっとうしい

・ゴロゴロする

・まぶたが下がる

・まばたきが多い

・涙が出る

 

「まぶしい」と「目を開けているのがつらい」という症状は眼瞼痙攣の

90%以上にみられるため、これらの症状を訴える場合、

つねに眼瞼けいれんの可能性を考える必要があります。

先述の症状はドライアイと非常によく似ており、4割以上の患者さんが

ドライアイの診断を受けているという報告もあります。

重症例では眼軸筋の収縮が持続し、自分で目をあけていることができなくなり、

機能的失明状態に陥ることもあります。

 

眼瞼けいれんの第一選択は、ボツリヌス毒素(ボトックス)を注射する治療です。

日本で眼瞼けいれんの治療法として保険適用されている唯一の治療法でもあります。

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