眼科通信

眼科通信Vol.161【ウイルス性結膜炎】

暖かくなると、うつるタイプの結膜炎(ウイルス性結膜炎)が流行しやすくなります。

うつらない・人へうつさない為にも、正しい知識と治療が必要です。

 

おもな症状

結膜充血、浮腫、眼脂、流涙がみられます。結膜に濾胞(ろほう)や偽膜が現れることもあります。

ヘルペスウイルスの場合は、まぶたに発疹がでることがあります。多くは片眼のみですが、

数日経ってから、片眼ずつ発症することもあります。ウイルス感染のため、

耳前や顎下リンパ節の腫れ、咽頭痛や発熱、気管支炎などの全身症状を伴う場合があります。

アデノウイルスの場合は、眼脂や充血が改善した後も角膜に上皮下混濁が長期間残り、

まぶしさを訴えることがあるため、長期的なフォローが必要です。

 

どんな病気?

結膜に炎症が起こった状態が結膜炎であり、なかでも、ウイルスの感染によるものが

ウイルス性結膜炎です。結膜の充血、眼脂や流涙などがみられ、異物感や痛み、

かゆみを伴うことがあります。耳前リンパ節腫脹や、発熱などの全身症状を伴うこともあります。

流行性角結膜炎(はやり目)と咽頭結膜熱(プール熱)は、アデノウイルスによる結膜炎です。

外来患者さんに比較的多くみられる疾患ですが、感染性が高いため、

集団感染に注意した予防的な対応が必要です。

 

・抗菌薬(点眼薬・眼軟膏)による治療

アデノウイルスに対する抗ウイルス薬はありません。そのため、二次感染の予防のために、

抗菌点眼薬が使われます。症状を抑えるために、ステロイドの点眼薬を用いることもあります。

ウイルス性結膜炎の予後は一般的に良好で、数週間で症状が改善することが多いです。

しかし重症例では視力が低下することがあります。

 

・コンタクトレンズの装用中止

コンタクトレンズを装用している患者様は、症状がある間は使用を控えてもらいます。

 

ウイルス性結膜炎は感染性が高く、医師が周囲への感染力がなくなったと

判断するまで、登校・出社を禁止する必要があります。

手洗いを十分に行い、タオルは家族と分けて使う、入浴は家族の中で

最後にするなど、周囲の人と接触する機会を減らしましょう。

また、院内で集団感染を起こさないために、

診察後は院内の器具や機械を十分に消毒します。

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