眼科通信

眼科通信Vlo.152【翼状片】

白目の部分が黒目に伸びてきた・・・?翼状片をご存じですか?

翼状片とは
白目というのは、一番下に強膜、その上にテノン嚢があり、その上を角膜が覆う、
という3層構造になっています。そして下の図のように変性した血管結合組織が、輪部という
白目と黒目の境を越えて、いわゆる黒目である角膜に伸びてきてしまうのが翼状片です。
多くは鼻側から伸びてきますが、耳側にできる場合もあります。
原因の一つに、紫外線が関連していると言われています。翼状片は、50歳以上の中高齢者に
多くみられる病気ですが、中~高年になって突然発症するわけではありません。
この病気は小さいころから紫外線を長い時間、目に曝露させることで発症することがわかってきました。また、近年では長年のコンタクトレンズ装用など、目への刺激が多い人や、
慢性的な乾燥も関与することがあると言われています。
鏡で見てみると、結膜が伸びてきているのが分かります。

症状
・血管が増えるため、いつも充血しているように見える
・炎症部分が盛り上がり慢性的な異物症状がある
・角膜に侵入してくることで見た目が気になる
・進行してくると病変がさらに角膜に進入し、
 角膜がゆがむことで乱視が生じ、視力が低下する

治療
翼状片自体は悪性の組織ではなく、症状がなければ放置しても問題はありません。
また、進行を抑える治療薬もないので、基本的には手術療法となります。
手術に至る理由としては、美容上の理由、あるいは、乱視や視力改善、
ひどい時には眼球運動改善のためなどが挙げられます。
術後はしばらくゴロゴロするなど、異物感や充血を訴える患者さんもいます。
一時的には術前よりも赤くなります。基本的には吸収糸を使うことが多いですが、
それでも術後に抜糸をすることもあります。一ヵ月くらいで充血などは改善します。

どのような治療をするかは、専門医とよく相談しましょう。

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