浅前房とはどのような状態なのでしょうか?急性緑内障発作とは?
虹彩(こうさい)という、いわゆる茶目よりも前側を前房(ぜんぼう)といいます。
前房は房(ぼう)水(すい)という組織で満たされています。この房水は、
水晶体と角膜の栄養補給・老廃物の運搬・眼圧の恒常化の役割を担い、
前房にあるスペース(隅(ぐう)角(かく))を通り排出されます。
近視の場合は眼球が長く、前房も深いことが多く、
遠視の場合は前房が浅いことが多いです。
この前房が浅いことを浅(せん)前房(ぜんぼう)と言います。
浅前房だとどうなりやすいのか?
浅前房の場合、隅角も狭くなり、閉塞する場合があります。
隅角が閉塞すると、眼の中に水分が過剰に貯まり、眼圧が上昇します。
これを急性(きゅうせい)緑内障(りょくないしょう)発作(ほっさ)と言います。
急性緑内障発作時には、眼痛・充血・目のかすみなどの眼症状のほか、
頭痛や吐き気をきたす場合があります。
症状が激しいために、救急車で来院するケースも少なくありません。
隅角閉塞が徐々に起こった場合は、眼圧がゆっくり上昇するため、
自覚症状が乏しい場合もあります。
治療法
急性緑内障発作が起きている状態を放置すると、
視神経の障害が急速に進行するため、
ただちに治療を開始して発作を解除させる必要があります。
最近では、水晶体因子が強く関与していると思われる急性緑内障発作に対し、
ある程度の白内障があれば、白内障手術を行うこともあります。
(白内障手術を行うことによって、水晶体の厚みを軽減することができ、
隅角が開大します。)
浅前房であるかどうかは、眼科医の診察でわかります。
浅前房は、遠視の方、白内障の始まり、60歳以上の女性に多いと言われています。
気になることがあれば、眼科専門医へご相談ください。